前回の記事では、
- なぜ寝返りが重要なのか
- なぜキャンプでは腰が痛くなるのか
について解説しました。
では、実際にどのような睡眠環境を作れば、腰への負担を減らせるのでしょうか。
僕がたどり着いた答えが、キャンプ就寝システムという考え方です。
- 高性能なコットでも、マットが身体に合わなければ快適とは限りません。
- 高価な寝袋でも、窮屈で寝返りが打てなければ腰への負担は増えるかもしれません。
- 枕だけを変えても、土台となるコットやマットが合っていなければ十分な効果は期待できません。
つまり、腰痛持ちに必要なのは「最高のギア」を集めることではなく、自分の身体に合った就寝システムを作ることです。
これは、僕自身がさまざまなギアを試す中でたどり着いた結論でもあります。
この記事ではこの考え方に合った寝具ギアを紹介していきます。
コット:Helinox タクティカルコット コンバーチブル
コットは就寝システムの土台です。
僕が重視するのは、
- 寝返りを打っても安定していること
- 適度な張りがあり、腰だけが沈み込まないこと
- 十分な横幅があること
です。
その代表例として挙げたいのが、Helinox タクティカルコット コンバーチブルです。
価格は決して安くありませんが、
- 生地の張りが絶妙
- 横幅も十分
- 多くのキャンパーから寝心地の評価が高い
という理由から、「就寝システム」の基準となる一台と言えるでしょう。
もちろん、これだけが正解ではありません。
コストを抑えながら快適なコットを選ぶ方法もありますので、詳しくは「腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちキャンパーが本気で選ぶおすすめコット5選」の記事をご覧ください。
マット:THERMAREST ネオエアー XLITE NXT
マットは身体にかかる圧力を分散し、寝返りを助ける役割があります。
厚ければ良いわけではなく、
- 適度な反発力
- 体圧分散性能
- コットとの相性
が重要になります。
その代表例として紹介したいのが、THERMAREST ネオエアー XLITE NXTです。
登山用として有名なマットですが、
軽量でありながら高い体圧分散性能を持ち、寝返りもしやすいマットとして高く評価されています。
もちろん、オートキャンプではもっと厚いインフレータブルマットという選択肢もあります。
重要なのは、「厚さ」ではなく「身体が自然に動けるか」です。
寝袋:モンベル シームレス ダウンハガーシリーズ
腰痛持ちの寝袋選びで僕が最も重視するのは、
寝返りを妨げないこと。
その考え方を最も体現している製品の一つが、モンベルの「スーパースパイラルストレッチシステム」を採用したダウンハガーシリーズです。ストレッチ構造により、身体の動きに追従しやすい設計になっています。
「マミー型は窮屈だから腰痛持ちには向かない」
そう思われがちですが、このように身体の動きを妨げにくい設計の寝袋も存在します。
逆に封筒型でも、大きすぎて暖気が逃げやすければ寒さで何度も目が覚め、結果として睡眠の質を下げることもあります。
つまり重要なのは、
マミー型か封筒型かではなく、自分が自然に寝返りを打てるか。
ここにあります。
枕:THERMAREST コンプレッシブルピロー シンチ
最後は枕です。
枕は頭を支える道具ではありません。
首から背骨までを自然な位置で支えるためのギアです。
僕がおすすめするのは、THERMAREST コンプレッシブルピロー シンチ。
高さの調整がしやすく、柔らかすぎず硬すぎないため、多くの寝姿勢に対応しやすいモデルです。
ただし、枕は好みが非常に分かれるギアです。
コットやマットとの組み合わせによって最適な高さは変わりますので、こちらも後日詳しくご紹介します。
「高級ギア」を揃えることが目的ではありません
ここまでご紹介したギアは、どれも評価の高い製品です。
しかし、この記事で伝えたいことは「この製品を買えば快眠できます」ということではありません。
本当にお伝えしたいのは、
それぞれのギアには役割があり、その役割を理解して組み合わせることが何より重要だということです。
例えば、コットに予算をかけるなら、マットは少し価格を抑えても快適な組み合わせを作れるかもしれません。
逆に、車中泊や地面で寝ることが多い方なら、マットに重点的に投資した方が満足度は高くなるでしょう。
就寝システムに「正解」はありません。
例えば僕は1万弱の「neos アッセムキャンパーズベッド」に「40コンパクトセルフインフレートマット・SOLO」を組み合わせて使用しています。コットは重量のあるローコットですし、マットも長さが腰までしかなく、厚みも4cmしかないショートマットですが、これだけでも睡眠環境は劇的に変わりました。
要はあなたの体に合っているかが大切なのです。
あなたの「キャンプ就寝システム」を見直してみませんか?
ここまでお読みいただき、「寝袋だけを買い替えよう」「もっと厚いマットにしよう」と考えた方もいるかもしれません。
しかし、本記事でお伝えしたかったのは、一つのギアだけでは快適な睡眠環境は完成しないということです。
腰痛持ちが朝まで快適に眠るためには、
- コット
- マット
- 寝袋
- 枕
それぞれが役割を果たし、お互いを補い合うことで初めて「就寝システム」として機能します。
まずは、今使っているギアを思い浮かべながら、次の項目をチェックしてみてください。
就寝システム チェックリスト
□ コットの幅は、無理なく寝返りが打てますか?
□ コットは腰だけが沈み込まず、身体を安定して支えていますか?
□ マットは「厚さ」だけで選んでいませんか?
□ 寝袋の中で膝を立てたり、横向きになったりできますか?
□ 寝袋は身体を締め付け過ぎていませんか?
□ 枕の高さは、自宅で使っているものと比べて違和感はありませんか?
□ 朝起きた時、毎回同じ場所が痛くなっていませんか?
□ 「キャンプだから仕方ない」と諦めていませんか?
一つでも気になる項目があれば、あなたの就寝システムには改善できる余地があるかもしれません。
まず見直すべきは、この4つです
就寝システムは、一度にすべて買い替える必要はありません。
朝起きたときの症状に合わせて、一つずつ見直していくことをおすすめします。
| 症状 | まず見直したいギア |
| 腰が痛い・腰が沈む | コット・マット |
| 寝返りが打ちにくい | コット・寝袋 |
| 肩や首が痛い | 枕・マット |
| 寒くて何度も目が覚める | 寝袋・マット |
| 身体全体が疲れている | 就寝システム全体 |
もちろん、原因は一つとは限りません。
だからこそ、「一番高価なギアを買う」のではなく、「原因に合ったギアを見直す」という考え方が大切です。
もっと詳しく知りたい方はこちら
本記事では、「キャンプ就寝システム」という考え方をご紹介しました。
各ギアの詳しい選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 腰痛持ちが選ぶべきキャンプコット
- コットの幅はどれくらい必要?
- ハイコットとローコットはどちらが腰に優しい?
- 腰痛持ちが重視すべきポイントとは?
→ 関連記事:腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちキャンパーが本気で選ぶおすすめコット5選
▶ 腰痛持ちが選ぶべきキャンプマット
- 厚ければ快適なの?
- インフレーターマットとエアーマットの違い
- コットとの組み合わせ方
→ 関連記事:腰痛持ちが選ぶべきキャンプマット(近日公開)
▶ 腰痛持ちが選ぶべき寝袋
- マミー型は本当に腰痛持ちに向かない?
- ストレッチ構造のメリット
- 快適な寝返りができる寝袋とは
→ 関連記事:腰痛持ちが選ぶべき寝袋(後日公開)
▶ 腰痛持ちが選ぶべきキャンプ枕
- 高さはどれくらいがいい?
- コットで使う場合の注意点
- 首や肩への負担を減らす選び方
→ 関連記事:腰痛持ちが選ぶべきキャンプ枕(後日公開)
おわりに
キャンプは、決して「我慢して楽しむもの」ではありません。
もちろん多少の不便さもキャンプの魅力ですが、朝起きるたびに腰の痛みや疲労感に悩まされる必要はないと僕は考えています。
僕自身、腰痛が悪化したことでキャンプを諦めかけた時期がありました。
しかし、コットやマット、寝袋、枕を一つずつ見直し、「就寝システム」という考え方にたどり着いたことで、以前よりも快適に眠れるようになりました。
この記事でご紹介した内容は、決して特別なテクニックではありません。
睡眠中の身体の動きを理解し、それに合わせてギアを選ぶ。
それだけで、キャンプの朝は変わる可能性があります。
もしあなたが「キャンプだから仕方ない」と思っていたのなら、ぜひ一度、ご自身の就寝システムを見直してみてください。
きっと、これまでとは違う朝を迎えられるはずです。
寝てる間に体を支える「就寝システム」関連記事はこちら
就寝システム第1回:腰痛持ちのキャンプ考|朝まで快適に眠るための「就寝システム」とは
就寝システム第2回:腰痛持ちのキャンプ考|「腰痛持ちのキャンプ就寝システム」とは?
就寝システム第3回:腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちキャンパーが本気で選ぶおすすめコット5選
就寝システム第4回:腰痛持ちのキャンプ考|朝まで快適に眠るためのキャンプマットの選び方
就寝システム第5回:腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちが選ぶべき寝袋とは?快適な睡眠のための選び方とおすすめ4選
就寝システム第6回:枕(後日公開)
腰痛持ちのキャンプ考シリーズ
腰痛持ちでも快適にキャンプを楽しむためのシリーズです。
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