はじめに
キャンプで使う寝具というと、まず何を思い浮かべるでしょうか。
寝袋でしょうか。
それともコットやマットでしょうか。
僕自身、これまでキャンプの就寝環境について考える中で、
コット
マット
寝袋
については、それなりにこだわってきました。
これらを組み合わせて「就寝システム」として考えるようになった経緯については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
寝ている間の身体を支える「就寝システム」についてはこちら
就寝システム第1回:腰痛持ちのキャンプ考|朝まで快適に眠るための「就寝システム」とは
就寝システム第2回:腰痛持ちのキャンプ考|「腰痛持ちのキャンプ就寝システム」とは?
就寝システム第3回:腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちキャンパーが本気で選ぶおすすめコット5選
就寝システム第4回:腰痛持ちのキャンプ考|朝まで快適に眠るためのキャンプマットの選び方
就寝システム第5回:腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちが選ぶべき寝袋とは?快適な睡眠のための選び方とおすすめ4選
就寝システム第6回:枕(後日公開)
ところが、もう一つ大切な寝具があります。
それが枕です。
枕は自宅では当たり前のように使っているのに、キャンプになると、
「タオルを丸めればいい」
「衣類をスタッフバッグに詰めればいい」
「キャンプ用の小さな枕があれば十分」
と、意外と簡単に済ませてしまいがちです。
僕自身も以前はそうでした。
実際、古いColemanのキャンプ用枕を持っています。
持ち運びを考えれば便利なサイズなのですが、使ってみると少し高さがあり、寝ている間に滑りやすい。
「キャンプで使う枕なんだから、このくらいは仕方ない」
以前ならそう考えていたと思います。
ところが腰痛を抱えるようになってから、枕についての考え方が少し変わりました。
僕の場合、
枕がなくても辛い。
かといって、高すぎても辛い。
そんなことを感じるようになったからです。
そこで改めて考えてみました。
キャンプでも、枕はもっと真剣に考えていいんじゃないだろうか?
この記事では、腰痛持ちになった僕が実際に感じたことを出発点に、キャンプで使う枕について考えてみたいと思います。
医学的なことについても少し調べていますが、専門家として解説することが目的ではありません。
僕が実際に使って感じたことや、そこから考えたことを中心に、必要な部分だけ調べた情報を添えていきます。
キャンプでは「枕」が軽視されやすい
キャンプ用品店で働いていた頃を振り返ってみても、寝具の中で枕は比較的後回しにされやすい道具だったように思います。
寝袋やマットについては使用温度や厚さなどを細かく相談される一方で、枕になると、
「枕は適当なものでいいです」
という方も珍しくありませんでした。
もちろん、枕がなくても眠ることはできます。
タオルや衣類を丸めれば、簡易的な枕を作ることもできます。
でも、僕は腰痛になってから、
「眠れること」と「身体をしっかり休ませられること」は別なんじゃないか
と考えるようになりました。
これはマットについても同じです。
薄いマットでも眠ることはできます。
寝袋も、身体を包むことはできます。
それでも僕たちがマットや寝袋にこだわるのは、できるだけ快適に眠りたいからです。
そう考えると、枕だけを適当に済ませる必要もないんじゃないでしょうか。
腰痛になってから気づいた「枕の高さ」
僕自身、腰痛を抱えるようになってから、枕の高さを以前より意識するようになりました。
特に感じるのが、
低すぎても辛いし、高すぎても辛い
ということです。
枕を使わずに寝ると、なんとなく身体が落ち着かない。
反対に、高さのある枕を使うと、首だけでなく腰まで辛く感じることがあります。
最初は、
「腰が痛いのだから、枕とは関係ないだろう」
と思っていました。
でもよく考えてみれば、寝ている間は頭だけが独立しているわけではありません。
頭から首、背中、腰まで身体はつながっています。
枕の高さが変われば、寝ているときの姿勢も変わります。
だから僕は、
枕って、思っていたより重要なのでは?
と考えるようになりました。
そして最近自宅用の枕を買い換えました。
ウレタンとジェルを組み合わせた枕なのですが、実際に使ってみると高さが絶妙で、これまで使っていた枕よりも自分に合っているように感じました。
早速昼寝で使用してみたところ、気が付けば2時間も眠っていました。
普段から感じていた首の凝りもほとんどなく、久しぶりにぐっすり眠れたと感じました。
もちろん、一度の昼寝だけで「この枕が自分に合っている」と断定することはできません。
それでも、枕の高さが自分に合うというのは、こういう感覚なのかと実感できたのは大きな発見でした。
実際に「枕の高さ」は研究されている
そこで少し調べてみました。
枕の高さや形状と、寝ているときの首の状態について研究した論文もあります。
ただし、「何cmの枕が正解」という話ではありません。
体格や寝姿勢、マットの硬さなどによっても、合う枕は変わります。
参考:枕の形状と首の痛みなどを調べた2021年の研究(PubMed)
ただし、ここで大切なのは、
「何cmの枕が正解」という話ではない
ということです。
体格も違えば、仰向けで寝る人も横向きで寝る人もいます。
マットの硬さや沈み込み方も違います。
つまり誰にでも同じ枕が合うわけではありません。
これは僕自身の感覚とも一致します。
僕にとってちょうどいい高さが、別の人にも合うとは限らない。
だからこそ枕選びでは「高さ○cm」という数字だけを見るのではなく、自分に合うかどうかを考える必要があると思っています。
「枕と腰」の関係も少し気になった
さらに調べていて、面白い研究を見つけました。
2026年に発表された研究で、腰椎疾患や仙腸関節障害があり、寝返りの際に腰やお尻に痛みが出る人を対象に、枕の高さを調整した場合の変化を調べたものです。
研究では、腰椎疾患の人について、枕の高さを調整した後に寝返りにかかる時間が短くなり、寝返り時の痛みも改善したと報告されています。
「寝返り時の腰殿部痛に対する枕の高さ調整の効果」J-STAGE
これを見たとき、
「やっぱり枕の高さって、腰にも関係するのかな?」
と少し納得しました。
ただし、これはあくまで一つの研究です。
対象者も26人と大規模ではありませんし、「枕を変えれば腰痛が改善する」と言えるものではありません。
僕自身についても同じです。
「枕の高さで腰が辛くなる」と感じているからといって、それがすべての腰痛持ちに当てはまるわけではありません。
だからこの記事では、
「腰痛にはこの枕がおすすめ」
という話はしません。
僕が言いたいのはもっと単純です。
腰痛を経験した僕にとって、枕の高さは無視できない要素になった。
そして調べてみると、それを考える材料になる研究もあった。
それだけです。
だから「高さを調整できる枕」に注目したい
ここで、キャンプ用枕の話につながります。
キャンプ用枕には、空気を入れて使うインフレート式の製品があります。
僕はキャンプ用マットでもインフレート式を使っていますが、この方式の面白いところは、空気の量を調整できることです。
枕でも同じです。
空気を入れる量を変えることで、高さや感触を自分なりに調整できます。
例えばLOGOSの「セルフインフレート まくら」は、空気の入れ具合によって高さが7~12cmまで変わります。
僕は、この「自分に合わせて調整できる」というところに、インフレート式枕の大きなメリットがあると思っています。
もちろん、空気を調整すれば必ず自分に合うというわけではありません。
でも、
「ちょっと高いな」
と思ったときに調整できる。
これは、固定された高さの枕にはないメリットです。
腰痛がなくても「自分に合う枕」は大切だと思う
ここまで腰痛の話をしてきましたが、今回の記事を腰痛持ちだけに限定するつもりはありません。
僕が枕について考えるようになったきっかけは腰痛でした。
でも、
- 仰向けで寝る人
- 横向きで寝る人
- 肩幅が広い人
- 身体が大きい人
- 柔らかいマットを使う人
- 硬めのマットを使う人
など、人によって寝やすい枕が違うのは当然だと思います。
だから、
「キャンプ用枕だから、小さくて軽ければいい」
と考える必要もないでしょう。
キャンプでも、
自分が気持ちよく眠れる枕を選ぶ。
それでいいと思います。
マットと枕は一緒に考えたい
ここは、これまで作ってきた「就寝システム」とも関係してきます。
枕だけを見て、
「高さ10cmだから自分には合う」
とは言えません。
その下にあるマットによって、身体の沈み込み方が変わるからです。
例えば硬めのマットと柔らかなマットでは、肩や背中の沈み方が違います。
そうなれば、同じ枕を使っても感じ方が変わってくるはずです。
僕はこれまで、
コット → マット → 寝袋
と、それぞれを別々のギアとして考えてきました。
でも実際には、それらを組み合わせて一つの「寝床」になります。
そして、その最後にあるのが枕です。
だから今回の枕の記事では、
枕単体ではなく、就寝システムの一部として枕を考えてみたい
と思っています。
キャンプ用枕は「小さければ正解」ではない
ここで、僕の古いColemanの枕に戻ります。
この枕の良いところは、やはりコンパクトなことです。
キャンプ用品として考えれば、荷物を減らせるのは大きなメリットです。
ただ、実際に使ってみると、
- サイズが小さい
- 高さが少し高い
- 滑りやすい
という不満がありました。
つまり、
収納性は高くても、自分にとって寝やすい枕とは限らなかった。
これを経験してから、
「キャンプ用だからコンパクトであればいい」
という考え方には少し疑問を持つようになりました。
もちろん、荷物を小さくすることもキャンプでは大切です。
でも、寝具については、
持ち運びやすさと寝心地のどちらを優先するのか
を、自分のキャンプスタイルに合わせて考えた方がいいと思います。
「自宅の枕」を持っていくのも一つの方法
ここまでキャンプ用枕について話してきましたが、
キャンプだからキャンプ用枕を使わなければいけない
ということではありません。
むしろ、普段使っている枕が自分に合っているなら、それを持っていくのも十分ありだと思います。
例えば、
- 車で移動するオートキャンプ
- 荷物を積むスペースに余裕がある
- 重量や収納サイズをあまり気にしない
- 普段の枕でないと眠りにくい
という人なら、自宅の枕を持っていくメリットは大きいでしょう。
特にエアコン付きのバンガローなどであれば、テント泊ほど湿気や結露を気にする必要もありません。
「キャンプ用枕だから快適」とは限りません。
普段使っている枕の方が明らかに眠りやすいのであれば、僕ならそちらを選びます。
一方で、テント泊になると話は変わってきます。
荷物の大きさや重量だけでなく、
- 汗
- 湿気
- 結露
- 汚れ
- 使用後の乾燥
なども考えなければなりません。
だから、
自宅の枕とキャンプ用枕、どちらが正解なのかではなく、自分のキャンプスタイルに合う方を選べばいい。
僕はそう考えています。
第1回まとめ
キャンプでは、寝袋やマットに比べて枕は少し軽視されがちです。
僕自身も以前は、そこまで気にしていませんでした。
ところが腰痛を経験してから、
枕が低すぎても辛い。
高すぎても辛い。
ということを実感し、枕について考えるようになりました。
調べてみると、枕の高さや形状と首の状態について研究されています。
さらに、腰椎疾患などを抱える人を対象に、枕の高さを調整したことで寝返り時の痛みなどに変化が見られた研究もありました。
ただし、これらは「この枕なら腰痛が治る」という話ではありません。
僕自身も専門家ではありませんから、そこまで言うつもりはありません。
それでも、
キャンプで快適に眠りたいなら、枕ももう少し真剣に考えてみてもいいんじゃないか。
これが今回の記事を書いていて、僕が改めて感じたことです。
そしてキャンプ用枕には、
高さを調整できるもの
滑りにくいもの
コンパクトに収納できるもの
カバーなどで手入れしやすくできるもの
など、キャンプならではの工夫があります。
次回は、こうした特徴を持った実際のキャンプ用枕を見ていきます。
僕自身が所有しているLOGOSの「セルフインフレート マルチクッション」や、店員時代に扱ったLOGOSの枕、インフレート式の枕、さらに夏場に使いたい接触冷感タイプのカバーなど、
「キャンプで使うなら、どんな枕が面白いのか?」
を、実際の使用感や特徴を交えながら考えていきたいと思います。
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