1.はじめに
キャンプは楽しいものです。
普段とは違う景色、違う環境。テントや寝袋、焚き火台など、日常では使うことのない道具。楽しみのポイントはいくつもあります。
でも、慣れない環境で一晩を過ごすわけですから、当然、疲れも溜まります。
移動や設営・撤収など、避けられない疲れはあります。それは仕方のないことです。
でも、避けられる疲れまで溜める必要はありません。
もしその疲れをある程度ギア選びで避けられるとしたら?
僕はお客様と商品選びについてお話しするとき、必ず伝えていた言葉があります。
「嫌な思い出より、楽しい思い出を残して、次のキャンプにつなげてほしい」
これは今でも、僕の中にあるギア選びの一つの基準です。
2.キャンプで「住環境」を優先する理由
キャンプ用品には、様々なギアがあります。
テント、寝具、ファニチャー、焚き火台、調理器具、ランタン……。
キャンプギアを買うとき、あなたは何を優先しますか?
流行り物?
デザイン?
それとも価格?
僕は真っ先にテントと寝具を優先します。
理由は身体を休める場所だからです。
僕は初めてのキャンプのとき、ほとんど知識がないままギアを選んでいました。
「テントと寝袋があれば寝られる」
そう考えて購入し、そのままキャンプへ行きました。
結果は散々でした。
硬い地面の上に建てたテント。その床にはマットもなくそのまま寝ることに。
翌朝、とにかく背中が痛かったことだけを覚えています。
夜空に煌めく満点の星空。
それ以外には、背中の痛みしか思い出せないほどでした。
幸いなことに、星空の思い出が僕を救ってくれました。
でも、もし星空までなかったら。
キャンプは一度きりで終わっていたかもしれません。
だからこそ、店員としてお客様とギア選びについてお話しするときは、少しでも同じ経験をしてほしくなくて、必死に「キャンプでの住環境」の大切さを伝えていました。
キャンプを楽しむためには、まず身体を休められる場所を作る。
これは、今でも僕の中で変わらない考えです。
3.「住環境」とは、テントだけの話ではない
キャンプにおける「住環境」とは、何を指すのでしょうか?
キャンプギアには、様々な性能が記載されています。
- 広さ
- 高さ
- 重量
- 耐水圧
また、スペックとして数字には表れにくい部分もあります。
- 出入りのしやすさ
- 設営・撤収のしやすさ
- 天候への対応
- テント内での過ごしやすさ
そして、テントの中で身体を休めるためには、さらに就寝環境を考える必要があります。
- コット
- マット
- 寝袋
- 枕
これらが組み合わさることで、キャンプでの「住環境」ができあがります。
ここで僕が大切だと思っているのは、テント単体の性能だけを見るのではなく、その中で自分がどう過ごすのかを考えることです。
例えば、同じテントでも、寝るだけなのか、テントの中で長い時間を過ごすのかによって、必要な広さや高さは変わります。
コットを使うのか、地面に直接マットを敷くのかでも、必要になるテントの広さや高さは変わります。
つまり「住環境」は、テント一つで決まるものではありません。
テント、寝具、そしてその中で過ごす自分。
これらをひとつの環境として考えることが、僕にとっての「住環境」です。
そして、ここを考えるときに大切なのが、自分にとって何が快適なのかということ。
誰かにとって快適なテントが、自分にとっても快適とは限りません。
だから僕は、キャンプギアのスペックだけを見て選ぶのではなく、そのギアを使って、自分がキャンプでどう過ごしたいのかを考えるようにしています。
4.テントは「広さ」だけではなく「高さ」も大切
僕自身、これまで様々なテントを触ってきました。
実際に設営したり、中に入って過ごしたりする中で感じたことがあります。
それは、頭上に余裕のあるテントは、やはり居心地がいいということです。
テントの広さというと、どうしても床面積や何人用なのか、といった数字に目が行きます。
もちろん、それらも大切です。
でも実際にテントの中で過ごしてみると、床の広さだけでは分からない快適さがあります。
例えばテントの中で立ち上がる、着替える、荷物を整理する、寝床を作る。
そんな何気ない動作でも、頭上に余裕があるだけで窮屈さを感じにくくなります。
反対にテントの中で常に身体を屈めていなければならないと、それだけで身体には負担がかかります。
特に僕は腰痛を経験してから、こうした「窮屈さ」を以前より気にするようになりました。
テントの中で無理な姿勢を取らず、できるだけ自然な姿勢で過ごせる。
それだけでも、キャンプ中の身体への負担を減らすことにつながると僕は考えています。
だから僕は、テントを選ぶときに「どれだけ広いか」だけではなく、その中で自分が無理なく過ごせるかも大切にしています。
そして、僕がサーカスTCコンフォートソロをメインテントとしている理由も、ここにあります。
頭上に十分な高さがあり、テント内で無理に身体を屈めることなく過ごせる。
その居住性が僕にとって大きな魅力でした。
サーカスTCコンフォートソロについては、実際に使って感じたことや、僕がこのテントを選んだ理由を別の記事で紹介しています。
5.寝具は「眠れればいい」わけではない
テントを選んだら、次に考えたいのが寝る環境です。
キャンプでは「テントと寝袋があれば眠れる」と考えてしまいがちですが、僕はそれだけでは十分ではないと思っています。
僕自身初めてのキャンプで身をもって経験しました。
硬い地面の上にマットも敷かず、そのまま寝た結果、翌朝に待っていたのは楽しいキャンプの余韻ではなく、ひどい背中の痛みでした。
もちろん寝袋は寒さから身体を守ってくれます。
でも身体を休めるためには、それだけでは足りません。
地面からの硬さや冷気を和らげるマット。
身体を支えてくれるコット。
そして、首や頭を支える枕。
こうしたものを組み合わせて、初めて「眠るための環境」ができあがります。
僕はこれまで、マットや寝袋、枕について実際に試しながら、自分にとってどんな組み合わせが快適なのかを考えてきました。
その中で感じたのは、寝具は単に「眠るための道具」ではなく、翌日の自分の身体を休ませるための道具でもあるということです。
キャンプでは、設営や撤収、調理、移動など、普段の生活とは違う動作をたくさんします。
だからこそ、夜になったらしっかり身体を休めたい。
せっかく楽しいキャンプに来たのに、眠れなかったり、身体の痛みを抱えたまま朝を迎えたりすれば、その疲れまで思い出として残ってしまいます。
だから僕は、テントと同じように寝具も妥協したくありません。
ただし、ここでも「高価な寝具を買えばいい」という話ではありません。
大切なのは、自分の身体やキャンプスタイルに合った寝る環境を考えることです。
コットを使うのか、マットだけにするのか。
どんな硬さのマットが自分に合うのか。
寝袋の中でどんな姿勢で眠りたいのか。
枕の高さは合っているのか。
こうしたことを一つずつ考えていくことで、自分にとっての「眠れる環境」が見えてきます。
僕がこれまで考えてきたマット、寝袋、枕については、それぞれ詳しく記事にしています。
「寝袋さえあれば大丈夫」ではなく、キャンプで身体を休めるための環境そのものを考えてみる。
それも僕が「住環境に妥協しない」と考えている理由の一つです。
寝床を考える、就寝システムシリーズ記事はこちら
寝てる間に体を支える「就寝システム」関連記事はこちら
就寝システム第1回:腰痛持ちのキャンプ考|朝まで快適に眠るための「就寝システム」とは
就寝システム第2回:腰痛持ちのキャンプ考|「腰痛持ちのキャンプ就寝システム」とは?
就寝システム第3回:腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちキャンパーが本気で選ぶおすすめコット5選
就寝システム第4回:腰痛持ちのキャンプ考|朝まで快適に眠るためのキャンプマットの選び方
就寝システム第5回:腰痛持ちのキャンプ考|腰痛持ちが選ぶべき寝袋とは?快適な睡眠のための選び方とおすすめ4選
就寝システム第6回:腰痛持ちのキャンプ考|快適な睡眠を支える「枕」の選び方
就寝システム第7回:キャンプ枕の選び方|腰痛持ちが考える「高さ」と快適な睡眠
6.高価なギアだから良い、とは限らない
ここまで、僕がキャンプの「住環境」を大切にしている理由について書いてきました。
では快適な住環境を作るためには、できるだけ高価なギアを選べばいいのでしょうか?
僕はそうは思いません。
高価なギアには、高価なりの理由があります。
素材や構造にこだわっていたり、耐久性を高めていたり、使いやすさを追求していたり。
価格が高いのには、それだけの理由があることも多いと思います。
でもそれがそのまま、誰にとっても良いギアになるわけではありません。
どれだけ評判の良いテントでも、自分のキャンプスタイルに合わなければ使いにくいことがあります。
高性能な寝袋でも、自分がキャンプをする季節や場所には必要以上の性能かもしれません。
逆に価格はそれほど高くなくても、自分の使い方に合っていれば、十分に満足できることもあります。
大切なのは、価格や評判だけで「良い・悪い」を決めないことだと思っています。
情報を集めて、自分に合うかを考える
では、どうやって自分に合うギアを見つければいいのでしょうか。
僕なら、まずできるだけ多くの情報を集めます。
メーカーの商品説明を見る。
実際に使っている人の感想を見る。
良いところだけではなく、不満に感じたところも調べる。
同じギアでも、使う人やキャンプスタイルが違えば評価が変わるからです。
例えば、
「設営が簡単」
という評価があったとしても、その人にとって簡単なのであって、自分にも簡単とは限りません。
「コンパクトで持ち運びやすい」
というギアも、車でキャンプに行く人と徒歩やバイクで行く人では、その価値が違います。
だから僕は、レビューをそのまま答えとして受け取るのではなく、
「この人には合っている。では、自分にはどうだろう?」
と考えるようにしています。
これは、ギア選びでとても大切なことだと思います。
できれば、実物を見て、触って、使ってみる
そして、可能であれば僕は、実物を体験することをおすすめします。
写真や動画だけでは分からないことが、実際に触ってみるとたくさんあります。
テントなら、
- 実際に中へ入ったときの広さ
- 頭上の高さ
- 出入りのしやすさ
- 立ったり座ったりしたときの感覚
寝具なら、
- マットの硬さ
- 寝返りのしやすさ
- 枕の高さ
- 寝袋の中での動きやすさ
などです。
僕自身キャンプ用品店で様々なギアを実際に見て、触ってきました。
だからこそ、スペックや写真だけでは分からない「実際に使ったときの感覚」があることを知っています。
特にテントは、同じようなサイズが書かれていても、実際に中へ入ってみると印象が大きく違うことがあります。
だから高価なギアを買うときほど、できれば一度実物を見てみる。
触れられるなら触ってみる。
試せるなら実際に使ってみる。
それだけでも、購入してから「思っていたものと違った」となる可能性を減らせます。
もちろん、すべてのギアを購入前に試せるわけではありません。
だからこそ、メーカーの情報だけではなく、実際に使った人の声も参考にする。
そして最後は、自分のキャンプに合うのかを自分自身で考える。
僕はそれがギア選びだと思っています。
高価だから良い。
安いから悪い。
有名だから間違いない。
定番だから自分にも合う。
そんな単純なものではありません。
大切なのは、そのギアを使って自分が楽しくキャンプを過ごせるかどうか。
「疲れを思い出にしたくない」という僕の考えも、結局はここにつながっています。
必要なところにはしっかりお金をかける。
必要のないところは無理をしない。
そして、自分に合うものを選ぶ。
それが、僕が考えるキャンプギアとの付き合い方です。
7.「キャンプだから仕方ない」で片付けない
キャンプには、普段の生活にはない不便があります。
テントを設営する。
火を起こす。
外で料理をする。
天候に左右される。
自宅のベッドのように、いつでも快適な環境が用意されているわけではありません。
僕はこうした不便もキャンプの楽しさの一つだと思っています。
自分でテントを建て、火を起こし、普段とは違う場所で一晩を過ごす。
それも含めてキャンプです。
だからといって、「キャンプなんだから、多少つらくても仕方がない」とは思いません。
ここは似ているようで少し違う話だと思っています。
例えば、焚き火をするために薪を割る。
これは僕にとっては、手間のかかることでも楽しみの一つです。
多少時間がかかっても、それを楽しんでいるなら苦痛ではありません。
一方で、身体に合わない椅子に座り続けて腰が痛くなる。
硬い地面に寝て、翌朝身体が痛くなる。
テントの中でずっと身体を屈めて過ごさなければならない。
こうしたことまで「キャンプだから仕方がない」と我慢する必要はないと思っています。
自分で選んだ不便と、避けられる苦痛は別物です。
僕がキャンプギアを選ぶときに考えているのは、まさにこの部分です。
キャンプを便利にしすぎて、何もすることがなくなるほど快適にしたいわけではありません。
便利な道具に囲まれて、自宅と変わらない生活をすることが目的でもありません。
それでも、身体への負担を減らしたり、余計なストレスをなくしたりすることで、もっとキャンプそのものを楽しめるのであれば、僕はギアを使っていいと思っています。
特に僕は腰痛を経験してから、身体もキャンプギアの一部だと考えるようになりました。
テントやチェア、コットを選ぶのと同じように、自分の身体が無理をしなくても済む環境を考える。
どれだけ素晴らしいキャンプ場でも、翌朝に身体が痛くて動くのもつらければ、そのキャンプを心から楽しめたとは言いにくい。
反対に、多少の不便や疲れがあったとしても、身体をしっかり休めることができて、「楽しかった。また行きたい」と思えたなら、そのキャンプは十分に楽しかったと言えると思います。
だから僕は、ギアを選ぶときに「キャンプらしさ」を理由に、必要以上の我慢をすることはありません。
便利にできるところは便利にする。
身体への負担を減らせるところは減らす。
そのうえで、自分が楽しみたい部分には手間をかける。
それでいいと思っています。
キャンプは、我慢大会ではありません。
僕がキャンプギアを選ぶ目的は、キャンプを楽にすることではなく、キャンプをもっと楽しめるようにすること。
そして、その先にあるのが、僕が店員時代から大切にしてきた、
「嫌な思い出より、楽しい思い出を残して、次のキャンプにつなげてほしい」
という考えです。
8.「住環境」の大切さは、キャンプをしてから気づく
キャンプ用品店で働いていた頃、僕はお客様に「テントや寝具は、できるだけ妥協しないほうがいいですよ」と、よく話していました。
特に初めてキャンプをする方には、テントや寝具の重要性をできるだけ丁寧に説明していました。
でも正直なところ、なかなか伝わらないことも多かったです。
「寝るだけだから、これで十分です」
「一泊くらいなら大丈夫でしょう」
「とりあえず安いもので始めてみます」
もちろん、それが間違いというわけではありません。
初めてのキャンプでいきなり高価なギアを揃える必要もありませんし、実際に使ってみなければ分からないこともたくさんあります。
ただ僕が心配していたのは、最初のキャンプで「キャンプって疲れるな」「あまり眠れなかったな」という印象を持ってしまうことでした。
僕自身、最初のキャンプでそれを経験しています。
テントと寝袋があれば眠れると思っていた僕は、マットを用意していませんでした。
結果、地面の硬さをそのまま感じながら一晩を過ごし、翌朝には背中が痛くなっていました。
それでも、そのキャンプで見た星空は今でも覚えています。
だから僕はキャンプを続けることができました。
でも、もし星空という楽しい思い出がなかったら。
「キャンプは疲れるもの」という印象だけが残っていたら。
その後もキャンプを続けていたかは分かりません。
だからこそ、店員としてお客様に伝えていたかったのです。
キャンプには、設営や撤収、移動など、どうしても疲れる部分があります。
そこまで無理になくす必要はありません。
でもテントの中で窮屈な姿勢を強いられたり、眠れないほど寝具が合っていなかったり、身体に合わないギアを使って痛みを感じたり。
そうした「避けられる疲れ」まで、キャンプだから仕方がないと我慢する必要はないと思っています。
そして、それはキャンプを何度も経験してから気づくより、できれば最初から知っておいてほしい。
住環境を整えることは、キャンプを快適にするためだけではありません。
翌朝に「またキャンプに行きたい」と思えるようにするためでもあります。
キャンプ用品を選ぶとき、テントのデザインやギアの格好良さに目が行くのは当然です。
僕もそうでした。
でもそのギアを持ってキャンプに行ったとき、
自分の身体がどう過ごすのか。
そこで無理なく立てるのか。
ちゃんと眠れるのか。
翌朝、疲れを引きずらずに撤収できるのか。
そこまで考えて選んでみてほしいと思います。
「身体は、キャンプギアの一部である」
僕は今でも、そう考えています。
そしてキャンプの思い出として残したいのは、身体の痛みや疲労ではなく、その場所で見た景色や、焚き火の時間、食事や会話、そして「楽しかった」という感覚です。
だから僕は、住環境を大切にします。
これからキャンプを始める人にも、これからギアを買い替える人にも、この記事をきっかけに一度、自分にとっての「快適な住環境」を考えてみてほしいと思います。
9.僕が考える「住環境に妥協しない」ということ
ここまで、僕がキャンプの「住環境」を大切にしている理由について書いてきました。
テントの広さや高さ。
寝具の組み合わせ。
自分の身体に合ったギアを選ぶこと。
そして、高価なものや定番だからという理由だけで選ばないこと。
こうしたことを考えていくと、「住環境に妥協しない」というのは、何でも高価なギアに置き換えることではないと分かります。
自分にとって必要なものを考えること。
自分の身体やキャンプスタイルに合ったものを選ぶこと。
そして、実際に使ったときに無理なく過ごせるかを考えること。
僕にとっての「妥協しない」とは、そういうことです。
だから、誰かが「このテントは最高だ」と言っているからといって、それをそのまま自分の正解にはしません。
反対に、価格が安いからという理由だけで候補から外すこともしません。
「自分がこのギアを使ったら、キャンプでどう過ごすだろう?」
それを考えて選びます。
もちろん、実際に使ってみなければ分からないこともあります。
僕自身、これまでたくさんの失敗をしてきました。
それでも、失敗したからこそ分かったことがあります。
キャンプには、我慢しなければならない疲れと、わざわざ我慢する必要のない疲れがある。
そしてギアを選ぶことで減らせる疲れもある。
だから僕は住環境に妥協しません。
それはキャンプを楽にしたいからではありません。
キャンプで過ごす時間を、もっと楽しみたいからです。
せっかくキャンプへ行くのなら、帰宅して思い出すのは、身体の痛みやつらかったことではなく、その場所で見た景色や、焚き火の時間、食事、そして「楽しかった」という記憶であってほしい。
そのために、自分に合った住環境を作る。
それが、僕にとっての「疲れを思い出にしないキャンプギア選び」です。
10.おわりに
キャンプギアを選ぶとき、僕たちはつい「何を買うか」に目を向けてしまいます。
どんなテントが人気なのか。
どの寝袋が暖かいのか。
どのマットが快適なのか。
もちろん、それも大切なことです。
でも、その前に考えておきたいことがあります。
「自分はキャンプで、どう過ごしたいのか」
そして、
「そのために、何が必要なのか」
ということです。
今回、僕が最初に「住環境」を取り上げたのは、キャンプを楽しむためには、まず身体を休められる場所が必要だと考えているからです。
テントの中で無理なく過ごせること。
しっかり身体を休められる寝具を選ぶこと。
自分の身体やキャンプスタイルに合った環境をつくること。
それはキャンプを楽にするためだけのものではありません。
キャンプで過ごす時間を、より楽しむためのものです。
そしてこれは住環境に限った話でもありません。
焚き火台なら、なぜそれを使いたいのか。
ファニチャーなら、どんなスタイルで過ごしたいのか。
調理器具なら、どこまで手間をかけたいのか。
キャンプギアを選ぶときには、それぞれに「自分はどう楽しみたいのか」という理由があるはずです。
僕自身、これまでたくさんのギアを使い、失敗しながら、自分にとって必要なものを少しずつ考えてきました。
だから、このシリーズでは「これを買えば間違いない」という答えを紹介するつもりはありません。
僕が実際にキャンプをしてきた中で、何を考え、なぜそのギアを選んできたのか。
その経験を、一つずつ紹介していきたいと思っています。
キャンプの楽しみ方は人それぞれです。
誰かにとって必要なギアが、自分にも必要とは限りません。
だからこそ、自分にとって何が大切なのかを考えてみる。
必要なところにはしっかりお金をかける。
必要のないところでは無理をしない。
そしてできるなら実際に見て、触って、自分に合うものを選ぶ。
その先にあるのが、
「疲れを思い出にしたくない」
という僕の考えです。
キャンプには、疲れることも、不便なこともあります。
でも、それ以上に楽しいことがたくさんあります。
せっかくなら、嫌だったことよりも、楽しかったことを思い出として残したい。
そして、
「またキャンプに行きたい」
と思えるキャンプにしたい。
そのために、自分に合ったギアを選ぶ。
僕にとって、キャンプギア選びとは、そういうものです。
これからも僕なりのキャンプギア選びについて、ひとつずつ掘り下げていきたいと思います。


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