こんにちわ、楓です。
キャンプギアにも流行り廃りはありますが、今も昔も変わらぬ魅力をもつギアがあります。そう、今回の主役ランタンです。
主流がLEDになって久しいわけですが、ではガソリンランタンやガスランタン、オイルランタンが廃れたかと言えばそうでもない。
キャンプを趣味とするも皆を魅了し続けるランタン。
今回はそんなランタンについてつらつらと書きなぐる…そんな記事です。
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ランタンで決まるキャンプの雰囲気
なぜランタン選びがキャンプの質を左右するのか
キャンプの夜、ランタンはただ暗闇を照らすだけの存在ではありません。サイト全体をどんな光で包むかによって、その夜の「楽しさ」「安全」「調理のしやすさ」という決定的な要素がガラッと変わってしまうんです。
強い光は夜間の安心感を高めてくれますが、炎の揺らぎがある温かい光は、日頃の忙しさを忘れさせてくれる特別なリラックスタイムを演出してくれます。ランタンを選ぶことは、あなたがその夜どんな「物語」を創り上げたいかというキャンプのスタイルそのものを選ぶことだと言えるでしょう。
最近はLEDランタンの性能が上がっていますが、それでも燃料式ランタンが愛され続けるのは、機能的な明るさだけでなくその「雰囲気(ムード)の良さ」という心の満足感があるからです。特に燃料系のランタンは雰囲気への投資だと考えると失敗がありません。明るさ(実用性)と雰囲気(情緒性)のどちらを優先するか、あなたのキャンプスタイルに合わせて考えてみましょう。
ランタンシステム入門:役割に応じて「光を使い分ける」
ランタンは一つで済ませようとしないのが正解!プロのキャンパーはランタンに「役割」を持たせ、複数の照明器具を効果的に使い分ける「ランタンシステム」を組んでいます。これが快適で安全な夜を過ごすための最大のコツです。
キャンプ動画でいくつものランタンを使いこなすキャンパーを見たことはありませんか?あれにはちゃんとした意味があるのです。
メインランタン(サイト全体を照らす主役)の役割
キャンプサイト全体を明るく均一に照らす役割です。十分な明るさ(ルーメン値)を確保することが最も重要。光量が大きいので虫が集まるのを一つのランタンに集中させる「おとり」役にもなり、他の作業スペースから虫を遠ざける効果も期待できます 4。ガソリン、高出力ガス、高性能LEDがこの主役に適しています。
テーブルランタン(手元の作業灯/雰囲気灯)の役割
調理や食事をする手元やテーブルの上を照らします。ここでは料理を美味しそうに見せる暖色系の光や、調理しやすい柔らかな光、そして雰囲気が特に重視されます。光量が控えめとされるオイルランタンや、炎の揺らぎを楽しむ雰囲気系ガスランタンは、メインには向きませんが、テーブルランタンとしては眩しさを抑えてムードを高める最高のメリットに変わるのです。
テントランタン(テント内・非常灯)の役割
テント内での移動や就寝前の準備、もしもの時の照明に使います。火を使わず小さくて扱いやすいLEDランタンが最も適しています。倒れても火災の心配がないのが最大の条件です。
タイプ別(1):安全と手軽さの王様「LEDランタン」
LEDランタンは、今のキャンプで一番手軽で安全な主役です。燃料系の面倒くささや火の危険性を完全にゼロにしてくれるので、機能性重視のキャンパーには欠かせないギアです。
メリット:手軽さ、そして何より安心!
LEDランタン最大のメリットは、とびぬけて高い安全性です。火を使わないので、火事や一酸化炭素中毒の心配が一切ありません。テントの中や、小さなお子さんが動き回る場所でも、本当に安心して使えます。また、メンテナンスは一切不要!これも大きな魅力です。燃料の補給、マントルの交換、ポンピングといった複雑な手順は必要ありません。買ったらすぐにボタン一つでパッと点灯できる手軽さは、キャンプ初心者の最初の相棒として最適です。光量の調節や、光の色(色温度)をカスタムできるモデルが多いのも嬉しいポイントです。
デメリット:情景描写の限界
機能性ではトップクラスのLEDですが、雰囲気の再現性の低さが唯一の弱点です。やはり、燃料式ランタンが持つ「古き良き温かい雰囲気」や、生きているような炎の揺らぎを完璧に再現するのは難しいとされています 2。
また、電源に頼るため、連泊や長期キャンプの場合は、予備バッテリーや充電環境をしっかり準備しておく必要があります。
おすすめLEDランタン
メインランタンとして使うなら、広範囲を長時間明るく照らせる高ルーメンモデル(例:ジェントス)がおすすめです。一方、テーブルやテント内でムードを重視したいなら、温かい光を放つデザイン性の高いモデル(例:ベアボーンズ リビング)を選びましょう。
特に手間をゼロにしたい初心者の方や、小さなお子様がいるファミリーキャンパーにとってLED以上の選択肢はありません。安全と快適性を両立させるための、最も現実的な選択肢です。燃料系のハードルを感じることなく、キャンプの楽しさを知るための最高の入り口となるでしょう。
タイプ別(2):炎の揺らぎと手軽さの融合「ガスランタン」
ガスランタンはLEDの手軽さと、ガソリンランタンの持つ雰囲気と明るさの「いいとこ取り」をした、非常に人気の高いカテゴリです。メインランタンから情緒的なテーブルランタンまで幅広いモデルが揃っています。
メリット:手軽な着火と心の落ち着きをくれる魅力
ガスランタンの強みは、その扱いやすさです。ガソリンランタンと比べて点火手順が格段に簡単!燃料のLPガスカートリッジをセットして、自動点火装置(イグナイター)を使えば、ボタン一つで簡単に火が灯ります。
明るさもLEDランタンより強いモデルが多く、広範囲を照らす能力も優秀です。例えば、コールマンの2500 ノーススター LPガスランタンは、約1,543ルーメンという圧倒的な明るさでサイト全体を照らせる、初心者でも扱いやすいメインランタンの王者です。そして、ガスランタンは、炎の揺らぎによる情緒的な光を楽しめるモデルが多いのも特徴です。コールマンのルミエールランタンは、キャンドルのような炎の揺らぎが最高の雰囲気を作り出してくれます。
デメリット:寒い場所での弱点とコスト
ガスランタンは本当に便利ですが、気をつけたい点がいくつかあります。最も重要なのは低温環境での性能低下です。ガスの特性上、真冬や寒冷地では燃料の気化が不安定になり、明るさや燃焼時間が落ちてしまう可能性があります。これは寒冷地でも安定して使えるとされるガソリンランタンとは対照的な弱点です。
また、専用のガスカートリッジ(OD缶またはCB缶)が必要なので、燃料の汎用性は低めです。さらに明るいタイプはマントルを使うため、破損した際は交換作業が必要となります。
必須知識:OD缶 vs CB缶—冬キャンプでの選び方
ガスランタンを選ぶ際、ランタン本体以上に知っておきたいのが燃料となるOD缶(アウトドア缶)とCB缶(カセットボンベ)の違いです。
ガスランタンが「扱いやすい」というメリットを最大限に活かすには、燃料選びがカギになります。特に冬キャンプの安定性を求めるなら、OD缶が必須です。OD缶は、寒冷地でも安定して燃えるようにブレンドされたガスが採用されていることが多く、登山や冬キャンプなど寒い場所での使用が多い人に強く推奨されます。
コストや手軽さを重視し冬以外のキャンプで使うならCB缶で十分ですが、寒い時期に「あれ?火が弱いな…」と困らないためにも、OD缶の存在を知っておきましょう。
OD缶 vs CB缶 比較表:最適な燃料の選び方
比較項目 | OD缶 (アウトドア缶) | CB缶 (カセットボンベ) |
コスト | 高い | 安い |
入手難易度 | アウトドア専門店、通販、ホームセンター等 | コンビニ、スーパー |
寒冷地性能 | 安定性に優れる (冬キャンプ向き) | 低温で性能低下しやすい (冬キャンプには不向き) |
汎用性 | 基本的にアウトドア専用 | 家庭用カセットコンロなどにも使える |
デザイン性 | ギアとしての見た目が良い | 実用性重視 |
おすすめガスランタン
ガスランタンには、サイトの主役と、ムードを創る脇役、両方の名品があります。
メインランタンの王者:コールマン 2500 ノーススター LPガスランタン

約1,543lmの圧倒的な明るさでサイト全体を照らします。それでいて燃料の取り扱いが簡単、自動点火装置付きで初心者でも安心してメインランタンとして扱えます。迷ったらこれを選べば間違いありません。
情緒系テーブルランタンの三大巨頭(炎の揺らぎを楽しむ):
これらは明るさではなく、「特別な時間」と「癒し」を提供してくれる、キャンプのムードメーカーです。
コールマン ルミエールランタン: マントル不要で、キャンドルのように炎が揺らぐのが魅力。炎の魅力を手軽に楽しみたい入門機として大人気です。
スノーピーク ノクターン: 繊細で情緒的な小さな炎を楽しむモデル。静かな夜に最高のムードを提供し、ガス消費も少ないと評判です。
SOTO Hinoto (ひのと): OD缶、CB缶、ライターガスから充填可能という多機能性が特徴のキャンドル風ランタン。暖かな光と未来的なデザインが、テーブルを格上げしてくれます。
タイプ別(3):最強の光量とタフさ「液体燃料ランタン(ガソリン・灯油)」
メリット:極地での信頼性と「最強の明るさ」
液体燃料ランタンの最大の魅力は、その最強の光量です。サイト全体をムラなく照らす能力は他の追随を許しません。そして、ガソリンランタンの最大の強みは、寒冷地での安定性です。ガスランタンが低温下で弱くなるリスクがあるのに対し、ガソリンランタンは燃料の特性上真冬のキャンプでも安定して使える点が最大の安心材料となります。
デメリット:手間の多さとメンテナンスの必要性
高性能と引き換えに、液体燃料ランタンは使用者にある程度の知識と手間を要求します。
点火にはポンピング(加圧)やプレヒート(予熱)など、手順が多く、やや難しい操作が必要で、初心者にとっては最初のハードルが高いと感じられることがあります。また燃料の扱いや熱を持った本体の取り扱いには、事故のリスクも伴うため慎重さが必要です。
さらに性能を維持するためには、ジェネレーターやバルブなどの定期的なメンテナンスが欠かせません。これはデメリットであると同時に、自分の手でギアを手入れし、「育てる」喜びを知る上級者にとっては、愛着を深めるプロセスでもあります。だがそれが良い!というやつです(笑)
ガソリン vs 灯油:燃料の違いを知ろう
液体燃料には、主にホワイトガソリンを使うタイプと、灯油(ケロシン)を使うタイプがあります。ガソリンは火がつきやすく、燃焼がクリーンなのが特徴です。一方、灯油は燃料コストが非常に安いのが魅力ですが必ずプレヒート作業が必要で、燃焼時に煤が出やすいという特性があります。
おすすめ液体燃料ランタン
コールマン ノーススター チューブマントルランタン

ガス式のノーススターと並び定番中の定番にしてランタンの王道、王様ともいうべき存在です。初登場は1996年でその歴史は30年ほどとまだ浅いものの、大光量で自動点火装置付きと、それまでにない圧倒的な扱いやすさで人気モデルになりました。本格的なランタンでありながら初心者でも扱いやすく、入門からベテランまで長く使えるランタンです。
ちなみに僕はすっかり魅了されてしまい、ガス式もガソリン式も手にしてしましまいましたw
タイプ別(4):クラシックな温もり「オイルランタン(灯油/パラフィン)」
オイルランタンは明るさを求める道具ではありません。その魅力は他の何物にも代えがたいクラシックな雰囲気と、「炎を眺める」最高の癒やしを提供してくれることです。
メリット:古き良き雰囲気と最高の癒やし
オイルランタンが提供するのは心に染み入る情緒的な暖色の炎です。古き良き時代を思わせる非常に温かい光がサイトに安らぎを与え、炎を眺めること自体が目的となります。
芯に火をつけるだけなので操作は非常に簡単。本体価格が安価なモデルが多いので気軽に導入しやすいのも嬉しい点です。
デメリット:実用性よりも趣味性
オイルランタン最大の弱点は、その光量が本当に控えめであることです。サイト全体を照らす能力はなく、テーブルや足元を優しく照らす程度に留まります。メインランタンとしての役割は期待してはいけません。灯油を使う場合は煤が出やすく、ホヤや周囲の清掃が必要になります。また炎が露出しているため風に弱いタイプもあり、使用場所を選ぶ点も注意が必要です。これは、実用的な明るさよりも心の満足度を追求するための「趣味のギア」だと割り切って使うことが大切です。
おすすめオイルランタン

※写真はデイツ78、ホヤをTOKYO CRAFTSのオイルランタングローブ 槌目アンバーに交換しています
デイツ78、フュアーハンド ベイビースペシャル276
「明るさはいらない。ただただ、柔らかな炎のゆらめきに癒やされたい。」オイルランタンは、デジタルな喧騒を忘れさせてくれる、最高のサイドテーブル照明として活躍します。最高のムードを追求するキャンパーのための究極の選択です。
各種ランタン比較表
ランタンタイプ | 雰囲気 | 最大光量 | 安全性 | 着火の容易さ | メンテナンス頻 | 寒冷地適性 |
LED | 低~中 (暖色モデルあり) | 中~高 | 極めて高い | 極めて容易 | 不要 | 高 |
ガス | 高 (炎の揺らぎあり) | 中~高 | 高 | 容易 | 低~中 (マントル交換) | 中 (OD缶なら安心) |
ガソリン/液体燃料 | 高 (非常に明るい暖色) | 最強 | 中 (事故リスクあり) | やや難しい (手順が多い) | 高 (定期的清掃) | 非常に高い |
オイル/灯油 | 非常に高い (暖色) | 低 | 中 (火気厳禁) | 容易 | 低~中 (芯/煤の手入れ) | 中 |
この表を見てわかるように「完璧なオールインワン」ランタンはありません。ランタン選びは、あなたのキャンプスタイルに合わせて、光量、雰囲気、安全性のバランスをどこで取るかという多角的な判断が必要です。単体で見ると弱点に見える「光量が低い」というデメリットも、システムの中で「テーブルを優しく照らす」という役割に当てはめればメリットに変わります。複数のランタンを使い分けることこそが、快適なキャンプ夜を創る秘訣です。
目的別・キャンプスタイルに合わせた選び方
初心者・ファミリー重視:安全と手軽さ優先
初めてキャンプをする方や、小さなお子さん連れのファミリーには、安全と快適性が最優先です。
メインランタン: 高出力LEDランタン(バッテリーの持ちが良いモデル)
サブ/テントランタン: 小型LEDランタン
ポイント: キャンプの第一歩はストレスフリーで!燃料系の面倒くささは、まずLEDでクリアしましょう。火災や一酸化炭素中毒の心配がないので、お子様がいる環境でも安心して過ごせます。
雰囲気追求型キャンパー:炎を愛でる喜び
キャンプサイトのムードと非日常感を大切にし、炎の揺らぎに癒やしを求めるキャンパー向けです。
メインランタン: コールマン 2500 ノーススター LPガスランタン (明るさの確保)
テーブルランタン: コールマン ルミエールランタン または スノーピーク ノクターン (炎の揺らぎを楽しみ、ゆったりとした時間を過ごすため)
ポイント: 炎の揺らぎこそが、キャンプを非日常に変える魔法です。ノーススターでサイト全体を明るくしつつ、テーブルには情緒的なガスランタンを配置すれば、手軽に最高のムードを作り出せます。
タフネス追求型・冬キャンパー:極地での信頼性
過酷な環境や、長期の遠征、またはギアを「使いこなす」ことに喜びを感じる上級キャンパー向けです。
メインランタン: ガソリンランタン(極寒地での安定性を最優先)。
テーブルランタン: OD缶を使用した雰囲気系ガスランタン。
ポイント: 寒い場所でこそ、液体燃料ランタンの揺るぎない信頼性と最強の光量が真価を発揮します。冬のキャンプでは、ガソリンランタンの安定性と、OD缶(寒冷地仕様)を組み合わせる知識が、最高の安心感をもたらします。手間をかけることで、ギアを『使いこなす』喜びを知る上級者へおすすめです。
最後に
最高のキャンプ体験のためには単に「一番明るいランタン」を見つけるのではなく、役割に合わせて複数のランタンを組み合わせる「システム」を構築することが何よりも大切です。明るさ、雰囲気、安全性を考えながら、それぞれのランタンに最適な居場所(メイン、テーブル、テント内)を与えてあげましょう。
ランタンは単なる道具ではありません。それはあなたが作りたい夜の雰囲気、あなたが見たい光景、あなたのキャンプの物語そのものです。最高の夜を演出するために、今日あなたのキャンプスタイルに合った決定的な「光」を選んでくださいね。
それでは。
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